中でも注目されたのは、1974年に米国で開催されたワールドシリーズで、台湾がリトルリーグ、シニアリーグ、ビッグリーグのすべてで優勝し、三冠王となった時だ。
1977年、「光華」は中華青年野球、華興青少年野球、そして立徳少年野球の3チームを取材し、彼らが再び世界の三冠王を勝ち取るまでの経緯を報道して、読者と喜びを分かち合った。
その記事の中では、ワールドシリーズ前後の10日間、世界に名だたる台湾の3チームが現地の華僑や留学生による歓迎と熱い声援を受ける様子が伝えられている。中には、遠路はるばる家族そろって会場まで応援に駆け付けた人もいた。
優勝した中華民国代表の3チームが帰国の途につくと、台北の松山空港は彼らの凱旋を出迎えるファンであふれかえった。当時の蒋経国・行政院長も自らチームを出迎えて選手一人ひとりと握手をしてねぎらいの言葉をかけ、その様子はテレビで放送されて多くの感動を呼んだ。今もそのシーンを覚えている人は多いことだろう。
中華民国チームは、勝利の喜びを持ち帰っただけではない。彼らはまた「海外にいても、心は祖国とつながっている」という海外華人の熱い思いをも国内に伝えることとなった。台湾野球の発展と輝かしい業績を振り返ると、政治と外交面で大きく揺れ動いていたこの時代、確かに内外同胞の心を一つにしたのである。
台湾の青少年野球はこれまでに6度にわたって三冠王に輝いている。
台湾の青少年野球はこれまでに6度にわたって三冠王に輝いている。